「県民の期待応える」 旅団長着任式で中村陸将補 陸自15旅団

着任式には、隊員約800人が参加。中村新旅団長(中央)が観閲した=1日、那覇駐屯地

 陸上自衛隊第15旅団は1日、新旅団長の着任式を開いた。第6代旅団長に着任した中村裕亮陸将補(53)は隊員らを前に訓示。中国軍の近代化や北朝鮮のミサイル開発などに言及し「わが国を取り巻く安全保障環境は課題や不安定要因が先鋭化し、厳しさが増している」と指摘。震災や台風などの自然災害への対処なども重要な任務とし「求められる高い連度を常に維持し、任務達成にまい進してほしい」と述べた。

 式典後の記者会見で中村氏は海兵隊などの米軍との関係について「日米同盟はわが国の安全保障方針の基本で、実効性を高めることは必要だ」と指摘。沖縄には、海兵隊など迅速に対応できる部隊が多くあるとし「彼らとの連携は、日米同盟の実効性を高める上で重要だ」と話した。これまで行われてきた指揮官交流や訓練などを通じ、さらなる連携強化を目指すとした。
 宮古や石垣への部隊配備については「(配備が)空白の地域を解消することは重要だ。県民・住民の理解を得られるよう努力したい」と述べ、自衛隊版海兵隊といわれる「水陸機動団」の訓練が沖縄で行われるかとの問いには明言を避けた。
 中村氏は自衛官任官後、研究職が長く、前任地は教育訓練研究本部。陸自の教育や訓練、研究などを一体的に行うための組織で、副本部長を務めた。「培ってきた知識や能力を15旅団の防衛警備・災害派遣などの任務で生かしたい」と語り、部隊を発展させていくとした。

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