内閣府が推進する沖縄政策の一環として、県経済の発展に向け業界団体等が主体となって人材育成カリキュラムを開発し、県内企業の人材の抜本的な能力向上と継続的な人材育成を目指す「沖縄型産業中核人材育成事業」の食品衛生分野で、石垣市内からは㈱八重山食肉センターの平良さつきさん(39)、焼肉ステーション・ガストロの横目大地さん(30)、スペインレストラン・ハイビスキャットの鍋倉大さん(47)の3人が修了した。
同事業の2018年度修了式が3月25日、那覇市内ホテルで開かれ、観光や貿易など、7分野15事業者に委託された研修を経た計305人に修了証が授与された。
食品衛生分野では「沖縄県産特産品製造・流通、飲食業の品質管理高度化推進人材育成事業プログラム」(一般社団法人・沖縄県食品衛生協会受託)をテーマに、18年9月から19年3月まで研修が行われ、21人が修了した。
研修では、業界が直面している労働生産性向上のための課題を把握した上でインバウンド販路拡大や、原料の受入から製品出荷にいたる全工程で、食中毒などの健康被害を引き起こす可能性がある危害要因を科学的根拠に基づき管理する方式「危害要因分析重要管理点」(HACCP)などについての講座が開かれた。
修了した横目さんは「HACCPの義務化について高いレベルでの知識が学べたのは本当によかった。料理ごとに危害要因のリストを作成するなど、すでに現場でも生かしている」と話した。
八重山食肉センターでHACCPの担当を任されている平良さんは、「危害要因の分析方法など、HACCPの基礎から学ぶために受講したが、非常に勉強になった」と話した。
HACCPによる衛生管理は21年から実質的な制度施行が予定されている。