第11管区海上保安本部の本部長に就任した葛西正記氏(56)は9日、那覇港湾合同庁舎で記者会見し、尖閣諸島(石垣市)周辺で頻発する中国公船が領海侵入について「予断を許さない。事態のエスカレートがないよう対応する」と述べた。米軍普天間飛行場の辺野古移設反対派の海上抗議活動には「法令を順守して対応する」と強調した。
中国公船の大型化、武装化も指摘。2011年9月から約1年半、石垣海上保安部の本部長経験もある葛西氏は、自身の在職当時と比べ、尖閣情勢が「改善されていない」との認識を示した。
11管区は日本の南西端にある「国境管区」。葛西氏は「過去に薬物などの摘発もあった。警察や税関などと連携し、監視・取締りの水際対策を強化する」とした。
熊本地震や九州北部豪雨などにも対応した経験を持つ。「沖縄には規模の大きな台風も襲来している。海保の機動力を生かし、関係機関や自治体と連携する」と述べた。
北海道出身。海上保安庁に関連する法整備の業務にも関わった。