6月に「万国津梁会議」 普天間返還など議論へ 玉城知事

記者会見で万国津梁会議の開催などを発表する玉城知事=12日、県庁

 玉城デニー知事は12日の定例記者会見で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還を巡り、名護市辺野古移設を条件としない方策など幅広いテーマについて有識者らを交えて議論する「万国津梁会議」を6月上旬ごろに県内で開催する考えを表明した。「(有識者の意見をもとに)具体的、現実的な基地負担軽減についての考え方をまとめて(政府に)示していきたい」と述べた。

 会議では、有識者らに➀人権・平和➁情報・ネットワーク・行政➂経済・財政➃人材育成・教育・福祉・女性➄自然・文化・スポーツの5分野で協議してもらう。
 このうち米軍基地問題関連は「人権・平和」分野で扱う。日米特別行動委員会(SACO)最終報告で日米両政府が合意した内容を検証するほか、在沖縄米軍の運用などについて議論していく。
 玉城氏は「普天間の返還を含め、幅広く委員に議論をお願いする。SACO合意に至った経緯や、最近の国際情勢の変化に伴う日米安全保障体制のあり方、在沖米軍のあるべき姿を踏まえた沖縄の方向性などを議論する」と説明した。
 決定事項は玉城氏の政策推進の参考にするが、法的拘束力はない。辺野古移設に代わる代替案の提出は否定した。
 県として、今年度からSDGs(持続可能な開発目標)を設定した取り組みを推進し、庁内にチームを設けることも明らかにした。SDGsに関する議論は「経済・財政」分野でも行う。SDGsは2015年9月の国連サミットで採択された目標で、国連加盟国が2016年~30年の15年間で達成するために掲げた。児童虐待問題は「人材育成」などの分野で議論する。
 具体的なメンバーは明らかにしなかったが、5つの会議の委員はそれぞれ5人程度で、任期は2年以内。委員長と副委員長を互選し、各会議は知事が招集する。委員以外の参加も必要があると判断されれば可能で、意見を陳述させることができる。会議全体の管理・調整は文化観光スポーツ部が所管する。
 会議の開催回数などは今後、決定する。会議の公開については「基本的には、公開できると判断すれば公開する。有識者に自由な議論をしてもらう観点から非公開にする可能性もある」(玉城知事)としている。
 会見ではこのほか、日米による1996年の普天間返還合意から年が経過したことにも触れ、日米両政府と県による3者協議を引き続き求めていく考えを示した。

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