衆院3区補選で初当選した屋良朝博氏(56)は一夜明けた22日午前、沖縄市の自宅で報道陣の取材に応じた。米軍普天間飛行場の返還を辺野古移設なしに実現する方法について「解決策を早く示し、選択肢を提供するのが政治の役割だ」と述べ、早期に具体策を提示したい考えを示した。
具体策のあり方については「平時における海兵隊の運用がどうなのか、全く議論されていない。即、有事だ、即、脅威だという話になっている」とした上で「どうパズルを組み合わせれば問題が解決されるか見えてくる。それをやるだけの話」と強調した。「共同作業を拒否しているのは政府のほうだ。少しずつ聞く耳をもってもらいたい」と政府に要求した。
当選から一夜明けた実感を問われ「きのうは主張が通ったことの喜びがあったが、一夜明け、大きくて厚い壁にどうやって風穴を開けるか考えている。沖縄の置かれた理不尽な状況をどう変えていくか。丁寧に説明すれば意識は変わる」と意気込んだ。近く訪米し、自らがするシンクタンク「新外交イニシアチブ」のメンバーと今後の活動を協議したい考えも示した。
県紙「沖縄タイムス」の社会部長などを経験した。「(記者として)沖縄の問題を一生懸命やっても動かなかった。物事を決めるのは何と言っても政治だ」と指摘。「国会での質疑や答弁を見ていても、本筋をはぐらかしているような答弁が見える。言葉を曖昧(あいまい)にすると世の中が乱れる」と国会で政府を追及する決意を示した。
この日、さっそく米軍キャンプ・シュワブ前を訪れ、辺野古移設に抗議する人たちを激励した。辺野古移設阻止を「活動の原動力にしたい」と改めて誓った。