玉城デニー知事は26日の定例会見で、中国が主導する経済圏構想「一帯一路」に関し「沖縄が日本のアジアへの玄関口として、一帯一路に関わっていけるか模索する」と述べた。ただ現段階で、沖縄の具体的な関与の方法は「検討段階にはない」とした。習近平国家主席の沖縄訪問にも期待感を示した。
玉城氏は16日から19日までの日程で、日本国際貿易促進協会に同行して訪中。中国の胡春華副首相との会談で玉城氏は「一帯一路」について「日本の出入口としての沖縄の活用」を提案した。胡氏からは「沖縄を活用することに賛同する」と発言があったという。
玉城氏は沖縄と中国の観光交流の促進、IT企業間の連携強化なども求めた。商務部の担当者との会談では、農作物の輸出拡大を要請し、中国側からは歓迎するとの返答があったという。
玉城氏は胡氏に対し、G20で訪日する習国家主席の沖縄訪問も要請した。習氏は過去に福建省の省長を務めており、沖縄と中国福建省の友好関係を考慮したという。
玉城氏は、習氏の来県によって「経済交流を加速し深めたい」と期待した。ただ日本の外務省とは調整しておらず、中国側からの返事も、現時点でないという。
会見では、記者から中国の海洋進出による安全保障への懸念を問う声が出た。玉城氏は「国際交流などで、国家間の全体的なつながりを深化させるのは有益だ」と述べるにとどめた。