第一航空が県提訴 那覇―粟国撤退、損失主張

 那覇―粟国(あぐに)の航空路線で、県の補助金が認められなかったため事業を継続できず、損失を受けたとして、第一航空(大阪)が9日、県に約4億5千万円の損害賠償を求める訴えを那覇地裁に起こした。
 訴状によると、同社は補助金の交付を受けながら同路線を運航。2017年2月に撤退方針を県に伝え、継続を要請されて協議を続けたが希望通りの補助金は認められず、18年7月までに沖縄事業所を閉鎖した。その間、航空機の維持費や人件費などを負担したとし、県の対応を「約束をほごにし、信義則違反だ」と主張している。

 同路線では15年8月、粟国空港で着陸時に乗客らが負傷する事故が起き、その後一時期を除いて運航していない。提訴後、記者会見した木田準一社長(58)は「事故後、粟国村や沖縄県のため運航再開を考えたが、赤字を補填(ほてん)してもらわないと維持できない」と話した。
 県は「訴状を確認して対応を精査する」としている。

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