【視点】陸自配備、環境に配慮し着実に

 石垣島への陸上自衛隊配備計画が進む平得大俣地区の駐屯地建設予定地周辺で国の特別天然記念物カンムリワシの営巣が確認された。沖縄防衛局は現在、突発音を出すような工事は控え、カンムリワシの繁殖に影響のない工法、工程で工事を実施していくという。自然環境の保全に十分に配慮しながら、工事の着実な進展を図ってほしい。
 沖縄防衛局によると、4月24日から26日にかけて予定地周辺で行った環境モニタリング調査で、つがいと思われるペアのオスが、近づいてきた他のオスを追い払うなどの行動が確認された。周辺での営巣を推定させる動きだ。
 防衛局が有識者に意見を聞いたところ、営巣場所と工事のエリアは約400㍍の距離があり「工事を継続しても支障はない」という助言を受けたという。
 予定地周辺にカンムリワシをはじめとする貴重な動植物が存在することは、地域住民からも指摘されている。ただカンムリワシの生息区域は、平得大俣地区だけではない。有識者の助言を受けながら、島全体として、生息や繁殖に影響がないよう工事を進めていくことは可能なはずだ。
 その他の貴重な動植物についても、工事の進ちょくに合わせ、移動や移植などの保全措置が図られる。新石垣空港建設工事や、最近では与那国島の駐屯地建設工事でも、こうした保全措置が実施されている。蓄積された経験を生かして万全を期すべきだ。

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