米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先として埋め立て工事が進む名護市辺野古の松田の浜で12日、手こぎ船の速さを競うハーレー大会があり、地元住民のほか、近隣の米軍キャンプ・シュワブの関係者らも参加して熱戦を繰り広げた。
海の安全や豊漁の祈願が込められた恒例の行事で、関係者によると、今回は計43チームが参加。晴れ渡った空の下、かねの音に合わせて乗組員が一斉に水をかいた船は勢い良く進んだ。
政府は昨年12月から近くの海域に土砂を投入し、埋め立て工事を続けている。区長の古波蔵太さん(46)は「(工事は)意識していない。地域の伝統行事を受け継ぎ、盛り上げていきたい」と強調。「辺野古はキャンプ・シュワブとつながりがある。交流を重ねてコミュニケーションを取れれば」と期待した。
辺野古区民が10班に分かれて争う競漕は、8班が優勝。キャンプ・シュワブの隊員らは11班として参加し、大会を盛り上げた。大会終了後は、区関係者の指示の下、米兵らがハーレー船を浜辺から隣接する漁港の倉庫まで運び、洗った。ハーレー船はこの状態で自然乾燥される。区民によると、交流は30年以上続いているという。名護市の渡具知武豊市長も来賓として出席した。