【視点】「辺野古」に偏らない選挙戦を

 夏の参院選に向け、玉城デニー知事を支援する県政与党が琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)、県政野党の自民党がシンバホールディングス会長の安里繁信氏(49)=公明推薦=をそれぞれ擁立した。両氏の一騎打ちになる可能性が大きく、米軍基地問題や沖縄振興が大きな争点になる見通しだ。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で論戦が予想されるが「辺野古」だけに偏った選挙戦にならぬよう望みたい。
 高良氏は5月4日の出馬表明で最大の争点に憲法改正問題を挙げ「憲法を守る立場は徹底している」と戦争放棄を定めた9条の改正に反対する考えを示した。米軍普天間飛行場の辺野古移設に対しては「辺野古に新基地を造るべきではない」と阻止を訴えた。
 安里氏は11日の記者会見で「ポスト沖縄振興計画が争点にされるべきだ」と述べ、沖縄振興を前面に掲げる考えを示した。辺野古移設に関しては来月の政策発表で態度を示すとして「期待してほしい」と述べるにとどめた。
 辺野古移設に反対する「オール沖縄」、すなわち革新リベラル勢力と、自民党が擁立する保守中道勢力が対決する構図は、昨年の知事選、4月の衆院3区補選と同じだ。前者が辺野古阻止、後者が沖縄振興を政策の柱に据えているのも変わらない。知事選、衆院補選では革新リベラル勢力が連勝しており、玉城知事は県営運営の基盤を強化している。

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