前線の影響で大気の状態が非常に不安定になり、八重山地方では13日、局地的に雨雲が発達した。与那国島では正午までの12時間降水量が440ミリ、24時間降水量も450ミリに達した。気象庁は50年に1度の記録的な大雨が降った恐れがあるとして「記録的短時間大雨情報」を断続的に発表。土砂災害や浸水、河川の増水・氾濫に厳重に警戒するよう呼び掛けた。与那国町役場には床上、床下浸水などの被害が報告されているが、人的被害はない。
気象庁と県は13日午前、島の全域に土砂災害警戒情報を発表した。気象庁がホームページで公開している「大雨警報(土砂災害・浸水害)の危険度分布」では与那国島の広い範囲が一時、災害発生リスクが最も高い「極めて危険」に区分された。
与那国空港では13日午前9時10分までの3時間で2003年の観測開始以来、史上最大の276・5ミリの猛烈な降水量を記録した。
与那国町によると13日午後7時現在、大雨のため床上浸水9件、床下浸水18件の被害が出た。町複合型公共施設でも床下浸水が確認された。家畜の牛とヤギの計2頭が流される被害があった。
町は一時、全町民953世帯1707人に避難勧告を出した。避難場所の町保健センターには一時、2世帯2人が避難した。
田原川が増水し、各地で道路冠水も報告されている。与那国空港発着便も那覇、石垣便が一部欠航した。比川小学校、久部良中が休校を決めた。
13日夜まで大雨はピークを過ぎ、町は14日以降、詳しい被害状況を取りまとめることしている。