▽参考人に反論
ただ、住民投票を不要とする与党側の参考人の意見は、野党側に波紋を広げた。
野党側が会合終了後に開いた記者会見で長浜信夫氏は、与党側の参考人が、尖閣諸島に迫る中国の脅威を訴えたことを批判。「短絡的な話をしてほしくない。中国からは経済的な恩恵を受けており、ことさら尖閣問題を取り上げて陸自配備ということにはならない」と反論した。
大浜明彦氏も「国防がどうのという話ではない。民主主義の問題だ」と与党側の参考人の意見を疑問視した。
住民投票条例案の審議を進める上で、参考人招致が新たな視点を提供したことは間違いない。与党側も「住民投票は必要ないという意見を聞く場を持てたのは初めてだ。意義があった」(砥板芳行氏)と評価。ただ、それ以上審議を進めることはせず、参考人招致の直後には採決に踏み切った。住民投票を不要とする立場からは、条例案の中身に立ち入って審議する必要はないためだ。
野党は「強行採決だ」(宮良氏)、「異常な委員会になってしまった」(花谷史郎氏)などと一斉反発。大浜氏は「(6月議会の)本会議では住民投票条例案を通してほしい」と訴え、条例成立に向け、陸自配備に慎重姿勢の公明党や、市長と一定の距離を置く与党議員に最後の望みをつないだ。
(仲新城誠)