「日本民族にとっての沖縄」をテーマにした青年弁論大会(主催・沖縄県祖国復帰47周年靖国集会実行委員会)が12日、東京の靖国会館で開かれ、県出身者など8人が熱弁を振るった。宜野湾市出身の神谷龍さん(24)が優勝した。沖縄戦の歴史を振り返り、復帰記念日である5月15日について「英霊、沖縄、祖国が一体となった日本民族共通の歴史だ。日本民族にとって沖縄とは同胞、一体である」と訴えた。
神谷さんは学生だった昨年、戦力の不保持を定めた憲法9条の改正を巡り、大学生を対象にアンケートを行った。多数が自衛隊の明記に賛成したが、中には「自分には関係ない」「戦争になって被害を受けるより白旗を挙げた方がよい」などと発言する学生もいた。
「この実態に危機感を覚えた。祖国日本を守った沖縄県民の後に続く者である自分こそ、憲法改正に力を尽くす決意を固くした」と強調した。
埼玉県川越市出身の小西沙紀さん(25)が準優勝、糸満市出身の池澤盛之さん(38)が3位に入った。
大会では①3年後の復帰50周年を日本国民全体で祝い、1万人規模の大祭典を開催する②祖国復帰記念日を国民の祝日にするよう政府などに働き掛ける―ことなどを盛り込んだ決議文を採択した。
弁論大会は、復帰に尽力した先人の思いを引き継ごうと、一般社団法人日本・沖縄研究政策フォーラム(仲村覚理事長)を中心に初めて開かれた。