就任後2度目の八重山諸島視察を行った宮腰光寛沖縄担当相は19日、与那国町の大雨被害状況を視察し▽サトウキビの倒伏状況▽水稲の生育不良や収穫量減少への懸念の声▽農道周辺などでの、のり面崩壊▽田原川の護岸の一部崩落―などを確認した。同日夜、新石垣空港(南ぬ島石垣空港)で報道陣の取材に応じ、「農作物も含めた今後の被害状況の詳細な調査や地元の要望を踏まえ、関係省庁とも連携して適切に対応する」と述べた。
石垣市から、老朽化が進む八重山博物館の建て替えの支援を求める声が上がっていることについて「石垣市からはまだ具体的に聞いていない。もし話が上がってくれば、その時点で検討したい」との意向を示した。
八重山博物館が所蔵する、尖閣諸島が日本固有の領土だと示す資料「尖閣列島遭難 中華民国感謝状」に触れ、「石垣市や地元の皆様が、貴重な資料をこれまで大切に保存し、尖閣諸島が日本固有の領土であることに関して広報啓発に努めてこられた」と感謝。「国内外に我が国の立場についての正確な理解が浸透していくよう、発信強化に努めるという領土担当大臣としての職責を痛感した」と述べた。
今年度に大幅拡張移転する「領土・主権展示館」(東京都千代田区)に、日本人が古来、尖閣諸島で活動してきたことを実感できるような資料のレプリカを展示する考えを示した。
「領土・主権展示館」は東京・日比谷公園の市政会館から「虎の門三井ビルディング」(千代田区霞が関)の1階に移転され、施設の大きさは約700平方㍍と、現在の7倍の広さとなる。
西表島での世界自然遺産登録に向けた取り組みの現状、製糖工場や酒造所などの地場産業の現場なども視察。「離島の現状や課題について改めて関係者から現場の生の声を聞けた。今回の視察で得た知見を、今後の施策展開の参考にしたい」と意気込んだ。