「尖閣諸島を守る会」代表世話人の仲間均石垣市議は23、24の両日、漁船「高洲丸」に乗り、尖閣諸島周辺で漁をした。高洲丸は24日午前、石垣島へ戻る途中で、中国公船「海警」に約1時間にわたって追尾されたが、海上保安庁の巡視船に護衛され、事故などはなかった。石垣港に帰港後、仲間氏は八重山日報の取材に応じ「中国は本気で尖閣諸島を取りに来ていると感じる。何もしなければ、日本はさらに厳しい状況に追い込まれるのではないか」と危惧した。海保によると、この日は中国公船2隻が領海侵入した。
高洲丸に乗り組んだのは仲間氏と高江洲正一船長の2人。23日午前5時ごろ石垣港を出港し、正午ごろから尖閣諸島の南小島周辺海域で漁を始めた。午後9時ごろ帰港しようとしたが、警護に当たる巡視船から、帰路に中国公船がいるという連絡があった。
仲間氏らは大事を取って船上で1泊し、24日午前7時過ぎ、石垣港へ向け出発した。
9時20分ごろ、中国公船3隻の姿が見え、うち「海警1501」が高洲丸に接近して追尾を始めた。接近距離は一時、約30~50メートルまで詰められたという。他にも2隻の「海警」が大きく距離を開けて高洲丸を追尾するのが見えた。
高洲丸の前後左右では海保の巡視船が航行。「海警1501」が高洲丸に近づこうとすると、間に割って入ってガードした。10時40分ごろ「海警」は追尾をやめた。
仲間氏は「中国公船は特に威嚇するような感じではなかった」とした上で「日本の漁船を尖閣周辺から締め出そうしているのではないか。『日本の漁船を追い払った』と見せかけるパフォーマンスだろう」と推測した。
現在の尖閣周辺海域を、中国公船がフィリピンやベトナムの漁船を駆逐した「南シナ海と似ている」と指摘し「中国公船が尖閣周辺に出入りできないよう、解決策を見出さないといけない。この状況を見れば『自衛隊配備は反対』とは言えなくなるだろう」と強調した。
仲間氏が尖閣海域へ出漁するのは2017年10月以来。