伊波洋一参院議員は25日午前、石垣市平得にある陸自駐屯地の建設予定地を視察した。石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会(上原秀政共同代表)の市民ら数人と予定地である旧ゴルフ場に入り、防衛省整備計画局の野﨑清隆整備企画官から説明を受けた。
視察後、報道陣の取材に応じた伊波氏は、防衛省が国の特別天然記念物カンムリワシの営巣を確認しないまま用地造成工事に着手したことを批判。「営巣期間は工事をストップすべき。環境アセスもすべきだ」と訴えた。
予定地周辺ではカンムリワシの営巣が確認された。防衛省は、カンムリワシの繁殖に影響がない手法、工程を確認し、大きな機械音が突発的に出るような作業を控えることなどについて石垣市と協議したとして、同日から工事を再開した。視察中も砂利を積んだダンプカーが中に入った。
伊波氏は、防衛省が確認した以外にもカンムリワシのつがいがいると述べ「実態が分からないまま工事をしている。近いところで営巣している可能性が大きい」と疑問視。連絡会の嶺井善共同代表は、ふだんから周辺でカンムリワシを見かけるとして「アセスをやらなかったので、こんな話になった」と指摘した。
視察に同行した連絡会の藤井幸子さんは「環境省が防衛局と情報を共有していない。作業再開は納得できない」と非難した。