「中国公船を挑発しないでください」―。海上保安庁の巡視船から、拡声器を持った海上保安官が必死に呼び掛けた。尖閣諸島海域へ出漁して石垣島に戻る途中、中国公船に追尾された漁船「高洲丸」。乗り組んだ仲間均市議が25日、八重山日報社の取材に応じ、当時の緊迫した状況を証言した。
中国公船「海警」が目の前に現れたのは24日午前9時20分ごろ。尖閣諸島と石垣島の中間地点あたりの海域だったという。高洲丸出漁の情報をキャッチし、待ち伏せていたようなタイミングだった。
高洲丸は前後左右を巡視船にガードされていた。うち1隻の巡視船の甲板に海上保安官が出て、拡声器で「進路を変更してください」と仲間氏に声を掛けた。直接呼び掛けるのは「無線だと傍受される恐れがあるから」と説明したという。