「中国は八重山の新聞をチェックしているのでは」―。尖閣諸島海域から石垣港に戻った仲間均石垣市議が苦笑した。尖閣と石垣島の中間あたりの海域で、中国公船「海警」の待ち伏せに遭った◆仲間氏が尖閣海域に出漁するのは約2年ぶり。当時は仲間氏が出漁しても「海警」は見て見ぬふりだった。今回、仲間氏は本紙の取材に応じ、事前に尖閣出漁の計画を大々的にアピール。中国側に情報が伝わっている可能性を念頭に置いた上で出漁した◆すると「海警」は反応した。放置できないと思ったのだろう。仲間氏の漁船を約1時間にわたって追尾した◆「海警」は今や文字通り軍事組織であり、上意下達は徹底しているはずだ。最高指導部レベルが、日中関係なども考慮した上で、現場に指示を出しているに違いない。仲間氏の出港情報を新聞報道で事前にキャッチし、対応を検討した可能性は十分ある◆宮古島や与那国島の陸上自衛隊駐屯地に整備された「保管庫」「貯蔵庫」を巡り、反対派が防衛省批判を強めている。弾薬が貯蔵されることを防衛省が隠していたというのだ。弾薬を持たない軍隊などあるわけがなく、貯蔵庫の中身を詳細に公開する軍隊もあるまい。尖閣を狙う隣国は、沖縄の新聞を熟読しながら、高笑いしているに違いない。