石垣島への陸上自衛隊配備予定地の旧ゴルフ場前で、反対派が工事を監視するため設置したと見られる工作物が、従来置かれていた市有地から隣接する県有地に移動された。撤去を求めていた市が29日までに確認した。移動先は県の旧道で、従来より旧ゴルフ場入口に接近した場所になっている。
市施設管理課は、市有地への工作物設置が道路法に違反するとの認識を示し、29日を期限とする「除去命令」を出していた。しかし工作物が県有地に移動されたことで、工作物は市の管轄ではなくなった。
同課は「今後は県の対応になる」としており、29日、県八重山土木事務所に工作物の件を情報提供した。これを受け同事務所は、近く工作物撤去を求める警告を出す方針。
住民によると、工作物が移動されたのは28日夕方ごろと見られる。工作物は簡易なテントで、中にベンチが置いており、市が「除去命令」を出したあとも連日、反対派が中に座っている姿が確認されているという。
同課が工作物に貼り付けた「除去命令」の文書は取り外され、陸自配備推進派が設置したのぼりなどに結びつけられていた。
旧ゴルフ場の入口付近では推進、反対両派ののぼりや横断幕も目立ち、同課は「市有地に置かれたものについては、すべて撤去させる方向で調整したい」と話した。