石垣市議が乗船し、尖閣諸島周辺海域に出漁した漁船が中国公船に追尾されたことについて、玉城デニ―知事は5月31日の定例記者会見で「中国公船がパトロールしているので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と述べた。本紙記者の質問に答えた。また「(尖閣周辺で)触発するような出来事が起こらないように、互いに関係機関を通じて周辺地域の安全をしっかり確保しておかなくてはならない」とも指摘。尖閣周辺で日中の偶発的な衝突が起きる可能性を懸念した。
尖閣周辺海域には、仲間均石垣市議が5月23、24日の両日出漁し、石垣島への帰路、約1時間にわたって中国公船に追尾された。仲間市議の漁船は海上保安庁の巡視船に護衛されて無事で、事故などはなかった。
玉城知事が米政府に宛てた書簡で、米軍普天間飛行場の辺野古移設を訴えたことに関連し、海兵隊の沖縄駐留に対する考えを問われ「海兵隊のみが抑止力として強調されるものではない。それ以外の戦力でも十分対処可能ではないか」と述べた。
その上で「県議会では海兵隊の撤退決議も行われており、一部識者からは、さまざまな場面で海兵隊不要論が発表されている。海兵隊が沖縄に駐留せずとも、日米の安全保障体制を毀損することはないという考えもある」述べ、海兵隊の沖縄駐留は不要との考えを改めて示した。
「慰霊の日」の6月23日に、知事として初めて沖縄全戦没者追悼式に臨む。主催者として読み上げる「平和宣言」の内容について「住民を巻き込んだ過酷な地上戦が行われた経験に基づき、戦争体験を継承し、恒久平和を希求する沖縄の心を発信したい」と強調した。
翁長雄志前知事と同様、辺野古移設反対を宣言に盛り込むかどうかは「過重な基地負担を踏まえ、文言の内容を調整中だ」と述べるにとどめた。