【視点】反対派は市民の共感得られぬ

 防衛省が進める石垣島への陸上自衛隊配備計画で、石垣市は16日、配備予定地周辺の開南・於茂登地区を対象に初の意見交換会を開いた。反対派住民らは意見交換会をボイコットしただけでなく、会場となった学校の周辺で抗議行動を展開した。対話を拒否する反対派の姿勢は、到底、市民の共感を得られまい。
 参加者によると、反対派が会場周辺で抗議集会を開いたため、一般の住民が会場に入りくい雰囲気になってしまったという。
 入場するには反対派の前を通らなくてはならないが、冷たい視線を感じながら、あえて会場に向かうには勇気がいる。当初、参加を予定していた住民も数人がこの状況を見て、入場を諦めてしまったという。反対派には自らの主張を訴えるだけでなく、他人の表現の自由に配慮する姿勢があっても良かったのではないか。
 漢那政弘副市長は「静かな雰囲気で、率直に住民の意見を聞きたかった」と話しているが、当然だ。反対派の行動は意見交換会の妨害行為にほかならない。
 地域住民の1人は、抗議行動について「会場まで行くのなら、そのまま中に入って市長に自分の意見をぶつければいいだけの話ではないか。外まで来て『話し合いはしない』と主張する姿は、理屈に合わない」と話す。
 中国の脅威を指摘する陸自配備推進派に対し「中国と話し合うべきだ」と反論している同じ人たちが、中山義隆市長とは話し合いを拒否する。この矛盾を、市民はどう感じるだろうか。
 中山市長は2016年12月、自衛隊配備の手続きを受け入れると表明した。反対派は「市長が受け入れ表明を撤回しなければ話し合いには応じない」とのスタンスを貫いてきた。交渉術としては一つの方法だろうが、受け入れ表明から既に1年以上が経過している。この間の防衛省や中山市長の言動を見ても、今さら受け入れ表明撤回は有り得ない話である。本当に陸自配備を阻止したいのであれば、反対派の戦略は現実からも遊離している。
 反対派住民は、周辺で駐屯地が建設されることで生活環境が激変し、騒音や不慮の事故のリスクも増えるのではないかと懸念しているはずだ。不安は他の市民も十分理解できるし、それは市を通じ、防衛省へもしっかり伝えなくてはならないものだ。中山市長が「地域住民が不安に思っていることを聞かせてほしい」と常々要望している通りである。
 しかし最近の反対派住民を見ると、地域の代表者というより、党派的または政治的な言動が目立つ。本来は純粋な住民運動であるべきものが、特定の政治勢力と結びついてしまっては、市民の共感はますます得られにくくなる。
 陸自配備計画は一地域だけの問題ではなく、政府が日本全体の安全保障に関わる政策として推進している。国防と地域住民の権利をどう両立させるか。それこそ徹底した議論が必要だ。話し合いの拒否は長い目で見て不毛な戦略であり、誰の利益にもならない。

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