〈40年経っても拉致被害者を取り返せない国・日本〉
やすやすと日本に侵入した北朝鮮工作員によって、日本で幸せに暮らしている人間が暴力的に連れ去られた。そして今も、被害者を取り戻すことも、北朝鮮と交渉することもできていない。
つまり国民を守るシステムを日本が全く持っていなかったし、今も持っていないということだ。
もし現憲法が無ければ、あの時、日本が領海内に入ってくる北朝鮮船に厳しい姿勢を取っていれば、北朝鮮の船もそうやすやすと入って来られなかったはずだ。
金正日政治軍事大学を出た元工作員・安明進の証言によると、成績優秀者は韓国で、優秀でない者は日本で使われるという。
韓国侵入は非常に厳しく命がけになるから、優秀な人間でないと任務が果たせない。しかし日本は簡単に侵入でき、仮に捕まっても命を取られない。逆にお土産付きで還してくれるからだ。それだけ日本の防御は見くびられていた。
〈国民を守るシステムを構築することで、姉の人生を「無駄じゃなかった」と言いたい〉
姉が日本に帰ってきて最期の瞬間を迎えた時、「テルちゃん私の人生は何だったのか」と問われたら、こう答えたい。
「決して無駄ではなかった。拉致が公になってから日本は変わった。国民を守る国にちゃんと変わった」―。