竹富町議会(新田長男議長)6月定例会では一般質問最終日の20日、仲里俊一、上盛政秀、那根操の3氏が登壇した。県指定文化財(建造物)で、県内に現存する最古の木造茅葺き屋根の民家とされる「新盛家住宅」の全面葺き替え工事について、町教育委員会は7月下旬頃の工事発注を見込んでいることが分かった。那根氏の質問に冝間正八教育委員会社会文化課長が答弁した。
西表島西部の祖納集落にある新盛家は2000年と11年に茅葺屋根の全面葺き替え工事を行っている。
同課は、新盛家に雨漏りが生じ、内部の木材が腐敗している現状から修繕費用を県教育庁文化財課に要望、19年度「文化財保存事業費補助金」の内示を得た。県の補助金は予算額645万8千円の半分で、町の当初予算と折半した形。
今後は交付申請手続きなどを進め、申請が通れば7月下旬頃の工事発注に向け取り組む考え。
冝間課長は「工程も伝統の工法に基づいて茅葺きを行うため、技術継承も期待される。地域とも協力して進める」と述べた。
また同課は、英語など4カ国語での詳細な説明を併記した文化財の新しい「史跡案内板」の設置も進めている。
新盛家は1994年3月に県の文化財に指定された。同課によると約170年余り前に造られたと推定されるという。
来年創立130周年を迎える西表小中学校の運動場整備について、田代仁教育委員会総務課長は「7月に西表陸上競技大会が同校で開催。これまで同様、砂などの原材料を提供する。全体の改良工事はこれから計画を立てたい」と答弁した。
同運動場西側の柵修復については「担当職員が本日、修繕か所を確認し、同校修繕工事請負業者が応急処置をしている。早急に復旧したい」と述べた。
西表船浮集落の音楽イベント「船浮音祭り」の備品助成について町は、公益社団法人・沖縄県地域振興協会会が実施している19年度「コミュニティ活動促進事業」での助成を検討。公民館から音響設備の一部助成の要請があり、現在、申請書の作成を進め、今月末の同協会提出を見込んでいる。
町はコミュニティ活動促進事業の募集を21日まで行っている。