〈尖閣諸島の危機は沖縄の危機に直結する。中国に沖縄経済が牛耳られる前に、尖閣の実効支配を強化する必要がある〉
もし尖閣諸島が中国に奪われたら、沖縄全体の危機は格段に増す。
例を挙げよう。今、対馬では、日本人をダミーにした韓国企業の進出が横行している。日本人を代表者に指名している企業ではあるが、資金は韓国から来ている。こういう企業がホテル、タクシーなど、地場産業に参入し、企業が儲けた金は韓国に流れる。対馬経済が牛耳られつつあるというのが現状だ。
このような仕組みはすでに韓国国内ではできあがっていた。韓国の代表的企業であるサムソンやヒュンダイ、そして銀行も7~8割が海外資本で、株の多くは外資企業に握られている状態だ。会社側がどれほど儲けても、利益の大部分は海外の投資家や株主に吸い上げられている。要するに、これと同じようなことを対馬でやろうとしているんだ。
もし尖閣が中国に押さえられたら、沖縄が同様の事態に晒されることが予測される。
実は日本が中国にギャフンと言わせるのは簡単だ。国営化されたのであれば、日本が確信を持って自国領と言えるわけだから、実効支配の実績を作っていけばいい。港や灯台を整備したり、一年の半分くらいは自衛隊の島しょ防衛のサバイバル訓練などを行うこともできるはずだ。打つ手はいくらでもある。
中国は〝尖閣を自国領にしたい″という戦略から、あの手この手を打ってきている。尖閣諸島への領海侵犯だけでなく、2004年には、尖閣は〝中国領土〟と書かれた石碑を尖閣沖の海中に沈めたりもしている。50年先、100年先に海中から石碑を取り出し、歴史の捏造でもするつもりだろう。チベットでも中国の古銭を大量に地中に埋め、「中国領土」と主張する根拠を捏造した。政府は尖閣諸島に日本人を行かせないようにしているだけだが、実効支配していることを示さないと、国際世論には通じない。