夏の参院選沖縄選挙区に立候補を表明した自民新人でシンバホールディングス会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=は22日、那覇市のホテルで記者会見し、公約を発表した。安倍政権が推進する米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設について、賛否を明言しなかった。
安里氏は、2013年の仲井真弘多県知事(当時)による辺野古沿岸部の埋め立て承認に「法的な瑕疵(かし)はなかった」と強調。埋め立てが進む現状に「掘り起こして戻すことが可能なのか、現実問題として考えないといけない」と話した。
一方で、2月の県民投票で埋め立て反対が7割超を占めたことに言及。「反対の民意が示された。(辺野古)容認とは口が裂けても言えない。この現実の厳しさを伝えていく」と述べた。国民的な議論が必要だとして「時間がかかるが解決の糸口を模索する」と訴えた。
選挙戦の争点について「新しい沖縄振興計画を示す選挙だ」と強調した。安倍政権が進める憲法改正は「国民目線で議論を深めないといけない」との考えを示した。
石垣島で進む自衛隊配備計画は容認した。尖閣諸島に中国船が侵入を繰り返す現状については「脅威は迫っている。G20での意見交換を期待したい」と述べた。
本島北部地区の振興策として民間空港を造る必要性を指摘し、北部のリゾート地を目指す観光客が利用する便を就航させるべきとした。
同選挙区には、辺野古移設に反対する野党や団体でつくる勢力「オール沖縄」が支援する無所属新人の琉球大名誉教授・高良鉄美氏(65)らも、出馬を表明している。