玉城デニー知事が訪中していた4月17日、尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入したとの情報が知事に伝えられていなかったことが、27日の県議会一般質問で分かった。石垣市区選出の大浜一郎氏(自民)に対し、池田竹州知事公室長が明らかにした。大浜氏は「聞き捨てならない。これは危機管理だ」と県の報告体制を厳しく批判した。
池田公室長は尖閣周辺での中国公船の領海侵入について「リアルタイムで知事に伝える体制ではない」と認めた。「接続水域への入域が連続して続いていた時があった。報告を怠っていたことがあった」とも述べ、今後は対応を改める考えを示した。
大浜氏は県が尖閣諸島について、日中間で解決すべき領有権の問題は存在しないとする国の見解を支持する立場だとしていることに対して、「紛争が存在しないなら、解決すべき問題はないのでは」と指摘した。
その上で「尖閣諸島は我々の島で、行政区域だ。知事は中国に対し抗議し、法律の順守を迫り、漁業者の安全な操業を厳重確保するよう国に求めるべき」と訴えた。池田氏は「指摘の通りだ」と応じた。