石垣市議会6月定例会は一般質問最終日の28日、石垣亨、仲間均、宮良操の3氏が登壇した。石垣島への陸上自衛隊配備の賛否を問う住民投票に関して中山義隆市長は、過去に実施するチャンスが「少なくとも2回あった」として「(不発に終わった)要因をつくったのは野党だ」と批判した。
宮良氏が住民投票の実施に向け、自治基本条例の不備を是正するよう求めた。
中山市長は、2年前、当時の与党の一部が住民投票条例を提案する動きを見せたが、野党が同意せず見送られたことを挙げ「あの時、野党が同意すれば多数になったので、住民投票は実施されていた」との認識を示した。
約1万4千筆の署名による住民投票条例制定の直接制定請求についても「与野党を問わず、署名の重みを受け止めて審議を進めようとした」と強調。野党が辺野古移設の賛否を問う県民投票と同じ日に住民投票を行うよう求め、採決を急いだため、審議が深まらずに否決された、と指摘した。
その上で「(反対派は)マスコミを通して『数の暴挙』と批判したが、1回目も2回目も(不発に終わった)要因をつくったのは野党だ」と言い切った。
宮良氏は、自治基本条例の不備について「市民の権利を侵害している。放置していた行政の責任は大きい」と追及。中山市長は「議員にも提案権がある。議員自ら一度も(不備の是正を)提案しない中で、行政にばかり『不作為だ』と言うのは当たらない」と反論した。
仲間氏は、玉城デニー知事が尖閣周辺海域について「中国公船がパトロールしているので、故意に刺激するようなことを避けなければならない」と発言したことに対する市長の見解をただした。
中山市長は「非常に問題だ。尖閣周辺は中国船がパトロールしてもいい状況だと、誤った情報を世界に発信しかねない。言葉を慎重に選んでほしい」と玉城知事に要望した。
玉城知事は市議会の抗議決議を受け、発言を撤回した。