4日公示、21日投開票の参院選で、沖縄選挙区に立候補する自民党新人でシンバホールディングス会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=、無所属新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)の基本政策が出そろった。最大の争点に安里氏は新たな沖縄振興策定、高良氏は米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止と改憲反対、消費増税の中止を掲げた。石垣島への陸上自衛隊配備を巡っては、安里氏は容認、高良氏は反対の姿勢を示した。
安里氏は6月22日、那覇市で開いた政策発表の会見で、参院選を「半世紀先の新しい沖縄振興計画をつくり、その先の未来を示す選挙」と位置付けた。「新しい振興計画を描くため残された期間は3年しかない。玉城デニー県政と国の関係は日に日に溝が深まっている。地元選出の国会議員が声を上げなくてはならない」と強調した。
41市町村47有人離島すべてを訪れて地域の声を聞いたとして「やさしい沖縄」「つよいオキナワ」「世界に誇るОKINAWA」をスローガンとする基本政策をまとめた。
離島振興では生コン立米単価への補助、輸送費補助事業の再開と拡充などを盛り込んだ。
高良氏は6月29日、那覇市内で開いた政策発表の会見で「沖縄から平和憲法の理念を守る強い決意と信念を貫くため、国政へと挑む」と表明。辺野古移設に対し「無謀で完成できない工事はやめるべきだ」と訴えた。
「教育、子育て」「経済・雇用・農水畜産業振興」「環境・観光・文化・離島」「くらし(健康・医療・福祉・防災)」「基地問題・平和・女性・国のカタチ」の各分野別の政策を示した。離島振興では生活資材などへの輸送費補助、ガソリン価格・水道料金をはじめ生活コスト低減などを盛り込んだ。
自衛隊は違憲の可能性があるとの認識も示し、日米安保条約は将来的な廃止を求めた。
沖縄選挙区には弁護士の瑞慶山茂氏(75)、元県職員の石田辰夫氏(67)、「NHKから国民を守る党」の磯山秀夫氏(72)も立候補を予定している。