安里、高良氏浸透図る あす公示 振興、基地争点 参院選

石垣市に設置された参院選ポスターの掲示版=2日午後(左)

 参院選はあす4日公示される。沖縄選挙区には、いずれも新人で国政与党などが推すシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=と、国政野党が推す琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)が立候補し、事実上の一騎打ちになる見通し。両陣営とも県内各地に事務所を開き、沖縄振興や米軍基地問題などの政策を掲げて支持者へ浸透を図ってきた。県内では昨年9月の知事選、今年4月の衆院補選で国政野党が推す候補が連勝しており、今選挙で流れが変わるかが焦点となる。投開票は21日。

 高良氏は糸数慶子参院議員の後継として「平和の一議席を引き継ぐ」と訴え、米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止を掲げて革新リベラル勢力や玉城デニー知事と連携。安倍政権が進める憲法改正、消費増税にも反対し、政権との対決姿勢を鮮明にしている。
 安里氏は公明が比例に擁立した現職の河野義博氏(41)とのセット戦術で「選挙区は安里、比例は河野」と呼び掛ける。維新も加えた「自公維」で保守中道勢力を結集。玉城県政と政府の関係が悪化する中、新沖縄振興計画策定で橋渡し役を担うとアピールする。
 知事選、衆院補選と同様、無党派層の行方が勝敗のカギを握ると見られる。安里氏は、県内有人離島を回って住民と意見交換した行動力や斬新な発想力を強調。高良氏は県民の反感が強い辺野古移設の是非を最大争点に位置付け、憲法学者として自衛隊の合憲性にも疑問を呈する。
 辺野古移設を巡って安里氏は、工事に法的瑕疵(かし)はないとしながら「県民投票で民意は示された。推進とは口が裂けても言わない」と述べ、安倍政権と一定の距離を置く。石垣島で進む陸上自衛隊配備に対しては、高良氏が基本政策に反対を明記。安里氏は容認の姿勢を示している。
 国政野党は沖縄を野党共闘のモデルケースと位置付け、政権打倒の足がかり確保を狙う。自公維は知事選から続く連敗の流れに歯止めを掛け、県内政局の主導権を奪回したい考えだ。

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