参院選が4日公示され、沖縄選挙区には自民党の新人で前シンバホールディングス会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=、無所属新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)ら4人が立候補を届け出た。安里、高良氏による事実上の一騎打ち。沖縄振興や米軍普天間飛行場の辺野古移設などを争点に、17日間の激しい選挙戦が繰り広げられる。投開票は21日。沖縄選挙区ではほかに、諸派新人の磯山秀夫氏(72)と無所属新人で辺野古商工社交業組合理事の玉利朝輝氏(60)も立候補した。
安里氏は地元の浦添市で出陣式を開き、交差点に集まった支持者ら約400人を前に第一声。言葉を噛みしめるように「イデオロギー闘争は平成で終わり。一致団結し、どうやって沖縄の声を政権に届けるか。そこに命を懸けたい」と訴えた。
出陣式では自民、公明、維新の議員らがマイクを握り「反対だけで一歩も進まない状況を打破しなくてはならない」などと指摘した。
安里氏は最大の争点に新たな沖縄振興計画の策定を掲げる。辺野古移設問題で国と県が対立する現状を批判し、国会議員として両者の橋渡し役を担うと強調。公明が比例に擁立した河野義博氏(41)とのセット戦術を展開する。
高良氏は、政府が埋め立てのための土砂投入を続ける辺野古沿岸部近くで出発式。エメラルドグリーン色の鉢巻きをし、浜辺で支援者ら約70人に「美(ちゅ)ら海、宝の海を守るために。ぜひ私に、力を貸してください」と声を張り上げた。
カヌーで海上から埋め立てに抗議していた人々は、辺野古移設阻止へ全力を尽くす決意に「先生、頑張れ」と声援を送った。
高良氏は最大の争点に辺野古移設の阻止、憲法改正反対、消費増税反対を据える。玉城デニー知事を国政から支え、沖縄から安倍政権打倒を目指す。立憲、国民、社民、共産や労組など革新リベラル勢力の支援を受ける。
県選挙管理委員会によると3日現在の有権者数は117万5944人(男57万3374人、女60万2570人)。
八重山は石垣市3万9687人(男1万9883人、女1万9804人)、竹富町3596人(1865人、女1731人)、与那国町1363人(男779人、女584人)。