【金波銀波】沖縄本島から参院選の応援に…

 沖縄本島から参院選の応援に駆け付けた政治家の言葉に、カルチャーショックを受けた。「本島では、候補者ののぼりを立てて、すぐ検挙されることはない。石垣ではプレッシャーがかかっているようだ」。念のため言うと公示前の話である◆本島では、選挙前から候補者名を大書したのぼりや横断幕が堂々と掲示されることは日常茶飯事。「公選法特区」と揶揄(やゆ)する声も上がる。「みんなやっているから」と安易な気持ちなのか、「公選法など名ばかり」というのが本音なのか◆一方、石垣島では選挙管理委員会の取り締まりが厳しく、公選法違反の疑いがあるのぼりは即座に注意される。選挙前に候補者名を連呼する広報カーが走ると、市民が「違法ではないか」と通報する。本島よりは公選法に対する意識は高いと言っていいだろう◆しかし本島の政治家からすると「石垣のほうがおかしい」ということになるのか。離島住民には分からない事情があるのかも知れないが、正直、感覚がマヒしているとしか思えない◆この件に限らず、離島から本島に物申したいことは多い。広い本島のしきたりが常識で、狭い離島の主張は一部の声だと言わんばかりの論調が、メディアにさえ、ちらほらする。少数意見に耳を傾けよと訴えるなら、自ら範を示すべきだ。

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