石垣市の新庁舎建設と周辺開発に伴い、石垣海上保安部が離島から石垣島への急患搬送に使用している旧石垣空港跡地の場外離着陸場(真栄里ヘリポート)の使用継続が困難になるとされ、新石垣空港に移動する可能性をめぐり、竹富町は県と市の理解を得つつ、市の旧空港跡地利用計画で「防災公園」として設定されている区域に、現ヘリポート機能を移転できるよう提案し、協議していく方針であることが分かった。
町防災危機管理課の通事太一郎課長によると、町は市の旧空港跡地利用計画において八重山病院周辺に設置予定で、大規模災害の発生に備えて整備される「防災公園」(約3㌶)に現在の機能と同程度の常設ヘリポートを移設したい考え。
ヘリポートが新空港に移動した場合、患者が八重山病院に到着するまでの時間は現在の約2分から約15分に延びる。
16日午後、竹富町の公民館連絡協議会など4団体が真栄里ヘリポートの継続利用を西大舛髙旬竹富町長に要請した。ヘリポートの継続利用に関する要請書が出されるのは初めてという。
要請書では「真栄里ヘリポートは竹富町のみならず石垣市、与那国町、多良間村の急患搬送を支える重要な施設」と指摘。町に対して、同ヘリポートの継続利用か隣接地への整備に向け関係機関と協議し、時間短縮を確立できる急患搬送の態勢を確保するよう求めた。
西大舛町長は「要請については、最重要課題と位置付けている。(新空港に)移すのはまかりならん」と強調。通事課長は「八重山病院からも一分一秒に意識を向けてと言われている」と話した。
先月25日、中山義隆石垣市長は市議会一般質問で、旧空港跡地の開発が進むことなどを理由に、同ヘリポートを「恒久的に維持するのは厳しい」と明言。大規模災害の発生に備え、新庁舎周辺で市が整備する「防災公園」にヘリポート機能を持たせる方向で検討している。中山市長は花谷史郎市議への答弁で、防災公園へのヘリポート併設について「離島住民に安心してもらえるよう検討する」とも述べている。