夏の甲子園出場をかけた第101回全国高等学校野球選手権沖縄大会の決勝戦が21日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われ、沖縄尚学高校と興南高校が対戦した。沖尚が13回裏まで進んだ激闘を制し、5年ぶり8回目の甲子園出場を決めた。興南のエース・宮城大弥君は最後まで球威も衰えず、140㌔台ストレートを中心に1人で投げ続けた。対する沖尚は、13回表、2アウトから連続安打で出塁し、1・2塁に走者を進めた。続く2人の打者がフォアボールを選択。押し出しで8―7とし、これが決勝点となった。
沖尚は1回表、4点先取しリードして試合を展開した。ただ、3回裏に同点に追いつかれた。投手は永山蒼君に交代し、更に得点を許すが、1点に抑えた。ただ、興南の堅守が壁となった。4回表はエース宮城君を打ち崩せず、5回表は1アウトで1・2塁とするもダブルプレーで抑えられた。6回表1アウト3塁で、高良魁君がスクイズに成功。5―5とした。
試合は同点のまま延長となり、12回表に動いた。1番打者の神里航平君が安打で出塁し、犠牲バントやゴロで3塁へ進塁。興南バッテリーは続く4番の與谷友希君を敬遠し、1・3塁となった。続く打者の吉里和己君がタイムリー3ベースヒットを放ち、走者一掃、7―5と突き放した。ただ、興南もその裏、1アウト1・2塁から5番打者の遠矢大雄君がタイムリー2ベースヒットを放ち、2人が生還。7―7の同点とした。沖尚は継投策で、投手を比嘉大智君に変更。なお、得点圏に走者がいる中、2アウトを奪い、ピンチを脱した。
試合が決まった13回表、球威が衰えない興南の宮城君だったが、沖尚に押し出しを許した。同回裏、守りの沖尚は、興南打線を3人で抑え、甲子園出場を決めた。
試合後、沖尚の比嘉公也監督は宮城君への対策として「低めのストレートなどボール球を振らされていたので、胸に上がってくるボールを狙えと指示を出した」と説明。延長戦でも投球を続けた宮城君を「限界が来ているが、140㌔を投げてくるタフな投手だ」とたたえた。沖尚の選手らは、沖縄水産高校に勝利したことで成長したと述べ、甲子園予選の決勝戦に「常連」だった興南と沖縄水産に勝利し、甲子園に出場できるのは思っても見なかったと振り返った。
キャプテンの水谷留佳君は「絶対、逆転できると(チームメンバーに)声をかけていた。最後まであきらめることなくできた」と述べ、甲子園では自分たちの野球をやりきり、優勝目指していくと意気込んだ。
沖縄尚学
4000010000021|8
興南
0320000000020|7
▽三塁打=高良、吉里(沖)▽二塁打=水谷(沖)、根路銘、遠矢(興)
(沖)仲村渠、永山、比嘉
(興)宮城(大)