八重山に伝わる最大の伝統行事、四カ字(登野城、石垣、大川、新川)豊年祭のオンプールが25日、市内各御嶽で執り行われ、地域住民らが今年の豊作に感謝し、来夏世の五穀豊穣(ほうじょう)、字民の無病息災を祈願した。優良農家の表彰もあった。
このうち登野城字会(玉城学会長)は、今回初めて小波本御嶽で旗頭を立てて祈願。その後、午前10時から稲作伝来の地とされる米為御嶽で願い(ニンガイ)が行われた。関野民子神司と石垣直子神司は占いの一種「うくず」により神に願いを通した。
玉城会長は自然の恩恵と五穀豊穣を神々に感謝し、「来夏世におきましても神々のご加護を賜り、字民が心豊かに諸業にはげみ、無病息災にして喜びと希望に満ち満ちた平和でいや栄えの年でありますよう」と祈った。
字会役員や長老らが神酒を酌み交わす「ミシャグパーシィ」の儀式では、登野城旗持会の若手も参加して大人数で奉納。子どもらによる太鼓、婦人会による巻踊りが披露された。
米為、小波本両御嶽は1991年11月に、有形民俗文化財として市の指定を受けている。
午後からは天川御嶽(登野城)、宮鳥御嶽(石垣)、大石垣御嶽(大川)、長崎嶽(新川)でオンプールが挙行され、獅子舞や棒術などの芸能が披露された。双葉公民館は同日夕、同館内で祈願祭と祝賀会を開いた。
26日は四カ字が集合し、真乙姥嶽でムラプールが開かれる。