第14回新石垣空港事後調査委員会(委員長・香村眞徳琉球大学名誉教授、委員10人)が24日午前、八重山合同庁舎2階会議室で開かれた。2018年度モニタリング調査結果が報告され、海藻生態学や地球化学などの専門分野を持つ委員からの評価と指導・助言がなされた。コハクカノコガイなどの水生生物数の減少について専門家から「増減はやむを得ない面もあるが、楽観視はしない方がいい」と懸念が出された。
河川水生生物がビオトープ内で減少していることについて、兵庫県立大学自然・環境科学研究所の太田英利教授は「石垣には希少水生生物が多く、生物多様性保存の観点からは居場所が重要」と強調。「判断基準となる過去のデータがないので、まとめて減っている状況は神経をとがらせていた方がいい」と助言した。
奈良教育大学の前田喜四雄名誉教授は、個体数の変動が激しいリュウキュウユビナガコウモリについて、「調査外の洞窟を利用している時期がある可能性も」と話した。
人工洞窟については「カグラコウモリが洞窟でだんだん繁殖してきている。今後、増える可能性がある」として、人工洞窟が一定の役割を果たしていると評価した。
モニタリング調査は今年度で終了予定。3年後に再度調査した後は、必要に応じて維持・管理などを行う方針。