玉城デニー知事は1日、官邸で菅義偉官房長官と会い、沖縄都市モノレール(ゆいレール)の輸送力増強に向け、3両編成化の予算確保を要請した。菅氏は「国としてもしっかりバックアップしていきたい」と応じた。県は今年度、車両基地候補地を選定し、概略設計に着手する予定で、3両化車両の発注やホームドアの改修を経て、2022年度に最初の車両完成を目指す。
国は3両編成化を支援するため、来年度概算要求でハード交付金を活用し、補助率を8割を引き上げる方針を示した。
これを受け、沖縄都市モノレール株式会社、県、那覇市、浦添市は同社の財政健全化に向け、債務の株式化や出資を行い、債務超過の解消に協力することを決めている。
菅氏は玉城知事との面会後の記者会見で「今年度中に那覇空港第2滑走路の供用開始が予定されている。利用者の大幅増加が予想される中で、できるだけ早期に3両化が実現できるよう、国としてもしっかり対応していきたい」と述べた。
一方、3両化車両のメーカーで受注が重なり、車両製造の計画に遅れが出る可能性が指摘されている。
玉城知事によると菅氏は「国としても計画通りに進むように後押しをしたい」とメーカーに早期製造を働き掛ける考えを示したという。知事も近くメーカーを訪問し、早期製造を要請する考えを示した。菅氏への要請の感触について知事は「国の支援も十分行っていただける」と手ごたえを強調した。
知事と菅氏との面談で、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題などは話題に上らなかった。
要請には城間幹子那覇市長、松本哲治浦添市長、モノレール社の美里義雅代表取締役社長が同行した。