八重山にクルーズ船で来島する海外客は圧倒的に台湾人が多いが、近年は欧米からと思われる人たちの姿も市街地で目立つようになった。欧米は未開拓のマーケットだけに、八重山ビジターズビューローなどを司令塔ととして、今後、官民一体となった誘客活動が期待される。
観光の活況に沸く沖縄だが、一方で隣国から気になるニュースも飛び込んできた。中国が台湾への個人観光旅行の全面停止を決定したのだ。対立する蔡英文政権に経済的圧力を強める狙いとみられる。
他国を圧迫し、自国民の移動の自由を制限する中国の強権的な体質があらわになった。観光産業が中国人客に依存するリスクは大きい。
中国の経済的圧力で台湾が苦境に陥れば、台湾から沖縄を訪れる観光客数にも影響が及ぶ可能性がある。対岸の火事ではなく、沖縄としても事態の推移を注視する必要がある。
韓国人観光客は昨年、過去最高の約55万人が来県していたが、日韓対立のあおりで来日キャンセルが相次いでおり、今年は減少が予想される。韓国では来日中止だけでなく、日本製品の不買運動、日本の自治体との姉妹提携や交流の解消など、常軌を逸した反日運動が展開されているようだ。中国と同様、国際的な常識が通じず、リスクが高い国であることを、沖縄としても再認識する必要がある。
沖縄を訪れる観光客の大部分は国内客であり、毎年のように足を運ぶリピーターの沖縄ファンは大切にしたい。多くの人たちが口をそろえるのが県民の「人情」の温かさだ。一期一会の出会いであっても、何気ない気配りや笑顔、気さくなあいさつが生涯の思い出になることもある。沖縄人としての誇りを持って接したい。