台風9号、先島諸島抜ける 伊原間で最大瞬間34.8メートル
- 2019/8/10
- 気象・災害
八重山、宮古を暴風域に巻き込んだ大型で非常に強い台風9号は9日、先島諸島を抜けて東シナ海を北寄りに進んだ。同日午前3時の観測で「大型で猛烈な台風」から変わったが勢力は依然強い。気象庁は沖縄で9日夜にかけて高波への厳重な警戒を呼び掛けた。
石垣島地方気象台は同日午前9時40分、八重山地方の暴風警報を解除した。同気象台によると、石垣市伊原間で同日午前2時17分、南西の風34.8メートルの最大瞬間風速を観測した。八重山地方が強風域から抜けるのは10日朝になる見込み。吹き返しの風に注意するよう呼び掛けている。
9日午前1時27分には宮古島で最大瞬間風速46.6ミリを観測した。
県によると、石垣市や南風原町などで風にあおられて転倒するなどし、男女3人がけがをした。今回の台風による8~9日の県内の負傷者は40~80代の男女6人となった。
石垣市によると、負傷したのは登野城の40代男性。8日午後8時過ぎ、ベランダで足を滑らせ、頭を負傷して病院に搬送された。
竹富町、与那国町では被害は報告されていない。
気象庁によると、沖縄には暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定になっている。台風本体や周辺の発達した雨雲がかかり、10日にかけて雷を伴った激しい雨が降りそうだ。海も大しけが続く見込み。
7日午前0時から9日午前10時までの総降水量(アメダス速報値)は石垣市登野城で210.5ミリ、新石垣空港で207.5ミリ、石垣市伊原間で185.5ミリを観測した。
10日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)は沖縄23メートル(35メートル)、波の高さは沖縄11メートル、奄美7メートル。沖縄の10日正午までの24時間予想雨量は多い地域で200ミリ。土砂災害や浸水、河川の増水や氾濫に警戒が必要だ。落雷や竜巻などの激しい突風の恐れもある。