売却議案 9月提案見送り 市有地、貸し付けも含め検討 石垣陸自配備

 石垣島への陸上自衛隊配備計画で、平得大俣地区の駐屯地建設予定地の半分を占める市有地の売却議案は、市議会9月定例会には上程されない見通しになった。市は不動産鑑定を終えたが、今後、公有財産検討委員会(委員長・川満誠一副市長)で貸し付けの可能性も含め市の方針を協議することになっており、現時点で議案を上程できる状況にはなっていない。売却の場合は遅くとも来年の3月議会までには議案が上程されると見られるが、貸し付けで合意した場合には議会の承認は不要となる。

 沖縄防衛局は売却を求めているが、市は安定的な賃貸料収入が見込めるとして、貸し付けの可能性も前向きに検討を進めている。面積がともに約23㌶の旧石垣空港跡地の国有地と平得大俣地区の市有地を等価交換する案も取り沙汰されているが、土地の価格に大きな開きがあるとして懐疑的な見方が強い。
 市議会与党からは表立って売却や賃貸を求める声は上がっておらず、市の判断を見守る姿勢だ。野党は配備に反対する姿勢を崩していないが、一部議員からは、市有地の将来的な返還もにらみ「駐屯地の固定化を防ぐ次善の策」として賃貸を検討するよう求める意見が出ている。
 沖縄防衛局は年度内の用地取得を目指しており、売却の場合は来年の3月議会への提案がリミットになる。貸し付けの場合でも、議会の頭越しという批判を避けるため、与党主導で貸し付け容認の決議をすべきとのアイデアもある。
 沖縄防衛局は市有地に隣接する旧ゴルフ場を既に取得し、用地造成工事を進めている。施設配置図によると、隊舎などの主要施設はほぼ旧ゴルフ場内に集約されており、市有地の部分での大規模な開発は現時点で予定されていない。

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