防衛省は5日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事に向けた専門家らによる有識者会議のメンバー8人を発表した。土木工学を専門とする大学教授らで、6日に同省で初会合を開く。
会議設置について「改良工事の工法などを合理的なものにするため、客観的な助言をもらいたい」としている。政府は砂を締め固めたくい約7万7千本を海底に打ち込み、地盤強化を図る。期間は3年8カ月と試算している。
岩屋毅防衛相は、訪問先の沖縄県庁で「有識者の知見を得ることが重要だ」と強調。会議での結論を踏まえ、改良工事の設計変更を県に申請する考えを明らかにしたが、具体的な申請時期には言及しなかった。
県は、軟弱地盤などを理由に埋め立て承認を撤回。防衛省側は国土交通相に不服を申し立て、撤回の効力停止が認められた。沿岸部では昨年12月から土砂投入が始まった。
今年4月、国交相は撤回を正式に取り消すと裁決した。県は裁決の取り消しを求める訴訟を起こすなど、対立が続いている。