石垣島への陸上自衛隊配備計画の賛否を住民投票で問うよう求め、石垣市民のグループ「石垣市住民投票を求める会」(金城龍太郎代表)が19日、市に住民投票の実施義務付けを請求する訴えを那覇地裁に起こした。仮の義務付けも合わせて申し立てた。
訴状などによると、市自治基本条例は、有権者の4分の1以上の署名で住民投票を請求でき、市長は実施しなければならないと規定。同会は、配備に関する説明や議論が不十分として、4分の1を超える1万4千筆余りの署名を集め、中山義隆市長に住民投票条例の制定を請求。しかし、条例案は市議会で否決された。
原告側は「議会で否決されても市長の義務はなくならず、実施しないのは違法だ」と主張。市は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
原告側弁護団は「住民投票の実施義務付けを求める訴訟は、全国で初めてだと思う」と話している。
原告は同会のメンバーを含め計50人で、20人が住民投票条例制定の請求代表者。原告によると、判決は早ければ年内に出る見通しだが、不透明だという。
石垣島への陸自配備計画を巡っては、2018年10月末に同会が署名を開始。約1カ月で1万4263筆以上の署名を集め、住民投票条例の制定を直接請求した。しかし住民投票条例は2月に市議会で否決された。
県庁で会見した金城代表は「住民投票を実施することが島民と石垣のためにもなる」と述べた。
同会メンバーからは「石垣島の将来を決定する権利は住民が持っている。中山市長と議員が持っているわけではない」と批判する声が出た。
住民投票を求める会は26日、結い心センターで訴訟を支援する集会を開催する予定。