ハリウッドの人気スター、トム・クルーズさん主演の映画「トップガン」続編の予告編で、クルーズさんが着ているフライトジャケットの背中から、前作まであった日本と台湾の国旗が消えた。続編に中国企業が出資していることから「ハリウッドが中国へ忖度(そんたく)した」と物議をかもしている◆最近のハリウッド映画は、米国人のトップスターとともに中国人俳優が主演級で出演することが多く、中国を理想的な国として持ち上げる作品も多い。中国のイメージアップに向け、中国共産党指導部がハリウッド映画への出資を促進し、大規模なプロパガンダを仕掛けている背景があると言われる◆「中国マネー」の浸食は米国にとどまらず、南太平洋の国々にも及んでいるようだ。ソロモン諸島に続き、キリバスも台湾と断交し、中国と国交を結ぶことになった。中国には台湾を孤立化させ「一国二制度」の美名のもとに呑み込んでしまう意図がある◆蔡英文総統は日本語のツイッターで「台湾の人々の勇気をくじき『一国二制度』を受け入れさせようとしている」「われわれの答えは明快です。断じて受け入れません」とメッセージを発した◆カネで人心を操る大国の横暴を許してはいけない。沖縄も友人の一人として台湾を支えたい。