ブレーキとアクセルの踏み間違えで起こる高齢者の交通事故を防止しようと、石垣市は、高齢者が自家用車に「誤発進抑制装置」を取り付ける費用の補助制度を今月中にもスタートする。高齢者ドライバーが当事者となった事故は八重山で年間20件以上発生しており、市防災危機管理室の大濱武室長は「装置の取り付けを交通安全の意識向上にもつなげたい。1件でも事故を減らせれば」と話している。
誤発進抑制装置は、ドライバーがブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだ場合、急加速を抑えて事故を防止する。同室によると、標準的な装置の購入に3~5万円、車への取り付け工事費に1~2万円の費用が見込まれる。
八重山署の統計によると、65歳以上の高齢者ドライバーが当事者となった事故件数は2016年23件、17年26件、18年25件。人身事故全体に占める割合は23~25%となっている。18年は安全不確認などが原因の事故が多く、不適切な車の操作による事故も2件あった。
市は誤発進抑制装置の取り付け費用を補助するため、9月議会で一般会計補正予算に400万円を計上した。
補助対象は65歳以上とし、装置の購入費、取り付け工事費の8~9割を補助する方向で調整している。補助金の上限は8万円程度とする方針。装置を取り付ける車は自家用車に限定し、業務用は認めない。
今後、取り付け工事が可能な工場をリストアップし、補助金の申請者に対しては、工場を通じて装置を購入するよう求める。今月中に補助金交付要綱を作成する予定。