石垣島への陸上自衛隊配備計画を問う住民投票の実施を求め、市を提訴した石垣市住民投票を求める会(金城竜太郎代表)は26日夜、訴訟報告会を結(ゆ)い心センターで開いた。原告の弁護団は「中山義隆市長が言っていることは支離滅裂」などと批判した。
同会は地方自治法の手続きで住民投票条例の制定を請求し、市議会で否決されたが、自治基本条例に基づいて市長には依然、住民投票実施の義務があると主張している。これに対し中山市長は、市議会で条例案が否決された時点で、署名の効力は消滅したとの立場だ。
弁護団の大井啄弁護士、中村昌樹弁護士、安里長従司法書士が訴状の内容などを報告。大井弁護士は「市長は、住民投票をやりたくないからやらないという理屈で言っている。まさにサボタージュ。法的には通らない」と述べ、市の主張は「訴状の段階で論破されている」との見解を示した。
参加者との質疑応答で弁護団は、住民投票条例を否決した市議会の対応について「基本的には政治の問題、(次の選挙で)落とすべき人は落とし、まっとうな人を議員に選ぶべきだ」「住民投票に向けた所定の手続きは議会に諮らず、規則として定めることで実行は可能」と訴えた。
金城代表は「社会が脱皮しようとしている音が聞こえている」と住民投票の意義を強調。「住民投票が議会で否決されて行き詰まったが、弁護団から力をいただき、訴訟という次のステージに踏み切ることができた」と意気込みを示した。
訴訟に向けた経過をユーモラスに紹介する寸劇もあり、会場から笑いが沸き起こった。