「あほみたいに子供を産む民族はとりあえず虐殺しよう、みたいな」「差別やいじめは、神様がつくった摂理だ」―。NHKから国民を守る党の立花孝志党首の言動が物議をかもしている◆決めゼリフの「NHKをぶっ壊す」で大衆的な人気を博し、大方の予想を覆して参院選で議席を獲得。しかし当選後は脅迫容疑で警察の事情聴取を受けるなど、政策とは無関係なトラブルでメディアを賑わしている。失望した有権者も多いのではないか◆大きな期待を背にデビューした政治家が、ほとんど実績を上げられないまま終わるケースは枚挙にいとまがない。むしろ有言実行できる政治家のほうが少ないと言えよう◆立花氏は極端な例としても、不倫疑惑しか印象に残らない議員や、政界引退後にテレビでコメンテーターを務めるだけの人などは、有権者として情けない。環境問題を「セクシーに」と発言した人気者の小泉進次郎環境相も、今のままだと危うい。「核なき世界」を訴えてノーベル賞を受賞したオバマ前米大統領も、すっかり過去の人だ◆人並み以上に賢くなることは、たとえ政治家であっても至難の業。野球選手は3割打てば名選手と呼ばれる。政治家が変わるよう願うより、有権者の期待値を下げるほうが、精神衛生上も現実的かも知れない。