防衛相「普天間全面返還を」 知事は辺野古中止要求

普天間飛行場の辺野古移設中止などを求める要請書を河野防衛相に手渡す玉城知事=29日午後、県庁

 河野太郎防衛相は29日、就任後初めて来県し、玉城デニー知事と県庁で会談した。玉城知事は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設について「反対という県民の民意は揺るぎない。政府は直ちに工事を中断し、解決に向けて県との対話に応じてほしい」と要求。河野外相は「普天間飛行場を全面返還する方策として移設を一日も早く実現しなければいけない」と指摘し、双方の立場は平行線に終わった。
 会談で河野氏は、辺野古移設について「日米同盟の抑止力を維持しながら、普天間を全面返還するための方策」と改めて説明。「北東アジアの安全保障環境がいかに厳しいかを県民や国民に理解いただく努力をもう少し考えないといけない」と述べた。
 玉城氏は「普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性除去は喫緊の課題であり、辺野古移設とはかかわりなく実施されるべきものだ」と主張。「日本の0.6%の面積に、73.3%の米軍専用施設を預かり続けるわけにはいかない。これ以上、沖縄に新たな基地を造ってほしくないという県民の願いは、未来に対しての責任だ」と語気を強めた。

 河野氏が言及した抑止力維持の必要性に関しては「沖縄と米軍の話ではない」と突き放した。
 米軍による民間港湾の使用自粛を盛り込んだ日米地位協定見直し、多発する米軍人の飲酒運転の防止対策なども求めた。
 河野氏は会談後、埋め立て海域で見つかった軟弱地盤の改良工事の設計変更を県に申請する時期に関し、有識者会議での意見を踏まえ「準備できしだい申請したい」と記者団に語った。
 会談に先立ち、河野氏は渡具知武豊名護市長や移設先周辺の同市辺野古、豊原、久志の「久辺3区」の区長3人とも意見交換した。宜野湾市で市役所屋上から普天間飛行場を視察し、糸満市の平和祈念公園にある国立沖縄戦没者墓苑で献花した。
 30日は辺野古の米軍キャンプ・シュワブを視察する。在沖縄米軍トップの沖縄地域調整官とも会い、米軍機からの落下物対策の徹底を要請する。

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