9月30日から今月1日にかけて八重山地方を襲った台風18号の影響による大規模な通信障害は、与那国島と石垣島の中継ケーブルが同時に2カ所損傷したことが原因であることが分かった。2日の県議会で宮城力県企画部長が報告した。
与那国島の中継ケーブルは波照間島との間を結ぶもので、台風前の9月28日に損傷した。石垣島の中継ケーブルは宮古島との間を結ぶもので、同30日に台風18号の影響で損傷した。沖縄本島、宮古、八重山の光ケーブルはループ状に結ばれているが、2地点の損傷箇所の間に挟まれた石垣市と竹富町、与那国の一部で通信障害が発生したという。
沖縄本島と先島諸島間にある海底光ケーブルは2ルート設置されており、一方のルートで障害があった場合でも、残りのルートに切り替えて通信を継続できる。しかし、今回は、9月28日に既に損傷した箇所があったため、結果的に大規模な通信障害が起こった。
県は、ケーブルを補修したNTT西日本沖縄支店の調査を踏まえ、課題を検証し、関係機関と連携して対応を協議する。
県は9月30日に警戒本部を、10月1日9時には災害対策本部を設置し対応した。竹富町と通信できないため、県の八重山事務所の職員が同町役場で状況を確認した。
第11管区海上保安本部は、石垣航空基地からヘリで竹富町の被害状況を確認。通信障害復旧のため、NTT職員と機材の緊急輸送を行った。
台風18号による農林水産関係の被害について、池田竹州知事公室長は「1日時点で約8442万円」と説明した。
農林水産業の被害の内訳は、サトウキビで約6569万円、野菜で約93万円、花きで約178万円、ハウス施設などで約1600万円。いずれも亀濱玲子氏への答弁。