新石垣空港内に、税関通過前の貨物を一時的に保管できる施設「保税蔵置場(ほぜいぞうちじょう)」の設置が沖縄地区税関(仲丸浩史税関長)から許可され、2日、石垣島の特産品が国際航空貨物として輸出された。これに合わせ市は空港で「設置許可記念・初出荷セレモニー」を開き、特産品の販路拡大をPRした。
「保税蔵置場」は1棟の建物と野積場73平方㍍に一般貨物と冷凍冷蔵貨物を保管できる。2019年9月1日付けで設置が許可され、市は運営・管理を沖縄日通エアカーゴサービス株式会社(森川智太代表取締役)に委託している。
新石垣空港は2017年4月1日、那覇空港に次いで県内2番目の税関空港に指定された。同空港からはこれまでに、暫定的な許可で香港向けに計1㌧の特産品を輸出した実績がある。
「保税蔵置場」が設けられたことで、新石垣空港から直行便が就航する台湾、香港向けに直接、特産品を国際航空貨物として輸出することが可能となった。航空機1便あたりの最大約5㌧の積載が可能だという。
この日、保税蔵置場設置後初めて株式会社石垣の塩(東郷清龍代表)の商品「石垣の塩」40ケース410㌔が台湾へ向け、午後発のチャイナエアラインで輸出された。
セレモニーで中山義隆市長は「石垣市の活性化を推進する新たな1ページ。国際定期便を活用し、観光交流にとどまらず、八重山の魅力ある特産品の販路開拓につなげたい」とあいさつした。
株式会社石垣の塩の東郷代表は「これまで那覇経由で運んでいたが、時間も輸送コストもかなり節約できる。これから定期的に輸出を予定し、台湾経由で世界中に打ち出していきたい」と期待を膨らませた。
市は、牛肉やパインなどの農林水産物や加工品について、国際貨物として輸出することに関心を持つ市内事業者の利用を呼び掛ける。問い合わせは石垣市企画部商工振興課℡0980・82・1533。