2対7、9回2死。そこから5点を追加する粘り強い戦いを見せ、「八重農らしい野球」が最後まで観客を沸かせた。惜しくも1点差で沖縄尚学に敗れたが、最後まで力を込めて応援していた人たちは、決勝戦の健闘を称え、九州大会、甲子園へと期待を寄せた。
同校の山城聡校長は「応援していた保護者や他校選手に感謝したい」とお礼を述べ、「本当に期待させてくれる選手たち。スタンドが一体となっていくのを感じた。九州大会に期待したい」と話した。
父母会の砂川隆治会長は「今まで通りの粘り強さとチーム一丸が見られた。健闘を称えたい」と喜んだ。
大浜圭人主将の父・敦史さんは「八重農には粘りがある。今日の試合は絶対に九州大会につながるし、実力で甲子園に行ってほしい」と激励した。
昨年八重農を卒業し、野球部のマネージャーを務めていた成底佳奈さん(19)は「自分たちが3年生の時の1年生。あんなにかわいかった子たちが、めっちゃ成長した姿を見せてくれ、心が動かされた」と感動を隠せない様子。
仲間とのSNSのやりとりでは同校を「八農(ぱちのう)」と読んでおり、「ぱちのうガンバレ!」と九州大会へエールを贈った。
決勝戦で1番バッターだった久貝悠斗の妹・舜莉さん(石垣第二中3年)は「おうちでは見られない、かっこいいお兄ちゃんの姿が見られた。9回2アウトで2対7から同点に追いつくというのも初めて見た」と笑顔。
二中野球部の元マネージャーとして部員を支えた経験から、「12人の選手が今以上に結束を固めて、1人ひとりが自分の力を最大限に出してほしい」と願った。
この日は美里工業、普天間、南部・北部・中部農林の県内高校の選手ら約120人が駆けつけ、馴染みの楽曲と掛け声で「友情応援」も行なった。