玉城デニー知事は25日午後、県庁で記者会見し、14日から20日までの訪米を振り返った。米国連邦議会で国防権限法案が協議される時期に合わせ米国を訪れ、大学で講演し、政府関係者や有識者と面談。沖縄の基地負担の現状や米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の問題点を訴えた。
訪米の意義として「基地の運用は、米軍の予算で行われるので、安全性や費用面での正当性などの調査を連邦議会に求めた」と述べた。また、2月の県民投票後、初の訪米だったとし「移設に反対する県民の民意を明確に伝えることができた」と話し、訪米の成果とした。
玉城氏は訪米中、連邦議会の上下両院の議員らと面談。同飛行場の移設現場が軟弱地盤で、施工技術に課題があり、活断層も存在すると説明。工期が延び、環境への影響も大きいとし、辺野古移設見直しの必要性を訴えた。スタンフォード大学で講演し、ウィリアム・ペリー元国防長官やジョン・ルース元駐日大使らとも会い、日米同盟の在り方や、インド太平洋地域の安全保障環境の変化が在沖米軍基地に与える影響などについて意見交換した。
玉城氏は海外基地を国内に移設するよう求める米連邦議員もいると指摘。「議員や市民団体と連携し議論をすることが、沖縄の基地負担の軽減に繋がる。取り組みを重ねたい」と話し、今後も県知事として国際的な発信を続けると強調した。
県のワシントン事務所について「毎週、面会した人物などの詳細な報告が来る」と紹介。報告を活用して、議員らと面談ができたとし「ネットワークの形成に取り組んでいる」と評価した。
現地視察や意見交換のため、沖縄への米国議員の招くことを検討するとした。